株式会社明治クリックス お問い合わせはこちら

5分でわかる、文化財IPM。

ゾーニングについて

施設全体を一律にして同じ対策を講じても、効果的でないばかりかムダにもなります。
まずは3つのゾーンに分け、必要な処置・改善点を調査していきます。

  • 最も警戒するべきゾーン
    • 収蔵庫
    • 特別収蔵庫
    • 収蔵庫前室
    • 展示ケースなど
  • 警戒が必要なゾーン
    • 通路
      (展示室のケース以外の部分を含む)
    • 撮影室
    • 空調機械室など
  • 外部と接するゾーン
    • 玄関ホール/出入口
    • 資料搬入口
    • 荷解梱包室
    • 風除室など
ゾーニングイメージ

文化財IPMは「PDCAサイクル(Plan・Do・Check・Act)」に沿って進めていくのが理想的で、
そのサイクルを回していくことでより効果的な文化財保護に到達していきます。

P 計画
3カ年中期・単年度・月次

計画を立てるには現状分析が必要です。

トラップ調査や温湿度測定を行ったり、建物・設備状況はチェックシートで確認します。

また扉の開閉や新規収蔵品受け入れルールなど運用状況に問題はないかなど総合的な判断で、
環境改善や害虫処理の計画を作成します。

文化財IPMは1年で完了するものではなく、3カ年中期・単年度・月次計画へと落としこんでいきます。

チェックシート例
ゾーン 場所 項目 判定 備考
収蔵庫 前室がある 展示台が大小8つ、作業台の大が1台ある。
扉に隙間はない ゴムに劣化とズレあり。
中央に僅かに光がもれる。
入室はスリッパに
履き替えている
月1回 消毒用エタノールできれいにしている。
スリッパのラックがある。
粘着シートがある 担当が粘着が弱いと気付いた時にめくっている。
ルールは特に無い。
網戸がある 30メッシュである。
モヘヤが劣化し建具に約8mmの隙間がある。
照明は紫外線
対策済みである
博物館専用蛍光管を使用中
照明は落下防止
対策済みである
落下防止の金具がある
壁や床は
調湿機能がある
壁は無機質の調湿ボード、
床はブナ材である。
ドライエリアがある ドライエリアのコンクリート壁側に
発泡断熱材が吹き付けてある。
点検やメンテナンスが出来るスペースがある。
24時間空調である

D 実施
処理・環境改善

徹底的な清掃を基本に、害虫・菌の処理、施設の環境改善を実施していきます。

環境改善は、空調設備、LED照明の採用、ドアブラシの設置など物理的防除対策が主になります。

日常の各点検や調査は役割分担を決めて実施します。

C 評価
報告・見直し

実施した対策がどれだけの効果を上げているか、結果の報告は1カ月毎に行います。

年度が終了したら年間の総合結果をまとめます。

ここでは中期計画・各仕様の「変更」の有無を確認します。

仕様内容の「変更」は必ずしも毎年必要ありませんが、「チェック」は毎年必要です。

A 改善
次年度へ

次年度予算でできる対策の確認、運用ルールの改善、仕様の変更が必要となった場合は
新しい仕様書の作成などを行います。環境改善などの効果が現れると燻蒸の回数を減らすことも
可能になってくると思われます。

 文化財IPM導入への道筋。
ページトップへ